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記事一覧

日本語の発音の「安全性」

2020.06.14

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・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の医療論(34)
〔日本人はコロナにかかりにくい?〕
欧米に比べ、日本人の新型コロナウイルス感染による致死率が低い理由がいろいろ議論されている。強力な法的規制もしていないのに、「お上(かみ)に従順な」日本人は外出自粛など感染防止策を行って感染率を低くしていることに他国は驚くが、低い感染率のみならず低い死亡率が注目されている。
日本人が感染しにくい原因として、いくつか挙げられている。
まず、生活習慣の違いだろう。
挨拶は、お辞儀が普通で、握手なんてよほど何かに感動でもしないとしないものだ。(今後、欧米でも握手が廃れてお辞儀が挨拶の主流にならないかしら)
ハグなどのスキンシップは、親子とか恋人間とかよほど親密な間柄でなければ行われない。
〔欧米人に乏しい衛生意識〕
日本人は綺麗好き。欧米人はあまり手を洗わないらしい。その理由を欧州旅行で見聞きした経験を踏まえて推測する。欧州に行ったとき、ガイドさんから「こちらでは水は貴重です」という話を聞いたことがある。だから、比較的多雨で水源涵養の森林に恵まれた我が国において、水道の水をふんだんに使っている日本人は「水はタダ」という意識が強い。だからちょっとした手の汚れでも手洗いする。
もう一つ、思い出すのは「欧州人の膀胱は大きい」という話だ。彼らは日本人より膀胱が大きいらしく、トイレに行く回数が少ないらしい。例えば、小学生が、朝に学校に行って、午後に帰宅するまで一度も学校のトイレに行かないことは珍しくないと。日本人の小学生ではちょっと考えられない。つまり、トイレに行く回数が少なければそれだけ手を洗う回数も少なくなるのは当たり前だ。日常においてトイレで過ごす時間が長い日本人だからこそ世界に冠たる清潔で優れた機能を有するトイレ(風呂も)文化が生まれたことは想像に難くない。
日本人の綺麗好きは世界トップレベルだろう。海外のレストランで食事前に持参したウェットティッシュで手を拭いているのは日本人くらいかな。
〔「土足」に対する意識の差〕
室内は土足ダメという文化もセイケツ日本人らしい。靴底に付着した細菌・ウイルスを室内に持ち込まないことも、感染率上昇阻止にある程度寄与しているようだ。欧米人は、室内土足が平気だ。日本のホテルでも、よくベッドに白いシーツの上に色つきの細長毛布が横たわって掛かっている。外人さんの土足の足置きらしい。もちろんそんな習慣のない私は即座に当該毛布は取っ払う。外国のホテルには室内履きがないので、国内ホテルで持ち帰られる室内スリッパを必ず持参するようにしている人は多いことだろう。
昔、医学生のとき、アメリカの病院見学ツアーに参加したときのことを思い出す。いくつかのグループに分かれてホストファミリーを訪れた際に、そこの娘さんが広い庭を裸足で駆け回ったり、そのまま室内のベッドの上に横になったりを繰り返しているのを見て驚いたものだ。もちろん庭は泥でなく、芝生だったが、衛生感覚に超寛容な米国人らしさを感じた。
〔マスク禁止法〕
習慣といえば、日本人はマスク好き国民であることも欧米と著しく異なる。風邪、インフルエンザの多い冬期のみならず、花粉症の多い春期もマスク姿は全く違和感のない国民である。欧米人はそんな習慣がない。というよりマスクしてはならないお国柄らしい。
以前、オーストリア旅行中やや風邪気味だったのでマスクをしようとしたらガイドさんから「マスクは禁止になっています」と諫められ驚いたことがある。「覆面禁止法」というのがあって、民主主義国家である多くの欧州諸国(米国の多くの州も)で公共の場所での顔面被覆が禁じられているのだ。顔を隠して行われる犯罪やテロの抑止のためらしいが、マスク大好き日本人にはちょっと考えられない。
さすがに新型コロナで欧米でもマスク姿が普通になった。
〔諸説あるが・・・〕
他にも、日本人は肥満が少ないことが挙げられている。
2019/09/01付けブログ 「超資源大国」アメリカは「超肥満大国」でもある
で述べたようにアメリカの肥満率はすごい。少なくともアメリカ人の死亡者の多さは肥満が関与していることは概ね明白なような気がする。
ノーベル賞医学者の山中教授が指摘して有名になったのがBCG説。確かにBCGをしている国としていない国との間の差は歴然としている。
そもそも人種的DNAの違いも原因であることも否定しづらいであろう。
そこで、以上の原因説よりマイナーな意見で一部の識者から発せられるものだが、私も同調する見解を紹介しよう。
〔日本語の発音の「安全性」―日本語は感染しにくい言語?〕
日本語は、欧米諸国の言語より飛沫が飛びにくい、すなわち感染しにくい言語だという意見だ。
①有気音・無気音
有気音とは、p・t・kの破裂音の後に母音が来ると、息が激しく吐き出される音だ。息を出すときウイルスを含む飛沫が飛び出すことは概ね間違いない。ところが、日本語のp・t・kは息を吐き出さない無気音として発音される。特に、p音、すなわちパ行音は外来語か擬声語・擬態語くらいにしか使われていない。しかし、英語等欧州言語にp音は非常に多い。私が少々勉強したフランス語では、否定を表す場合、他言語ではnotとかnichtとか一語でよいのに、仏語では「ne・・・pas」の2語で否定したいものを挟むという文法がある。日常的に否定表現は夥しく使われるものだから、p音で夥しい飛沫が話相手の顔に飛んでいるのではないだろうか。
とにかく日本語はあまり大きく口を開かず、口の中で籠もってややモゴモゴとした発音でも通用する(だから腹話術しやすい言語だと言われているらしい)。私たちが外国語を初めて学んだときを思い出すと、思いっきり口を開けたり尖らせたり(wの音など)したものだ。「p・t・k+母音」の発音を激しく息を吐き出すようにと教わったことが思い出される。
②TH音
ある説によると、上下の歯で舌を挟む「th」音(初めて英語を学んだ中学1年のとき珍しがってよく練習したものです)も結構飛沫が飛ぶらしい。私の知っている範囲内では、この「th」の発音(「ス」に聞こえる)は英語だけだ。他の欧州言語では、だいたい「th」のスペリングは「トゥ」音である。肥満とこの「th」が、USAを世界一の感染大国にしてしまったのか?
③ノドの奥からの「ハッ」
これは、ドイツ語やフランス語を学んだ私の個人的見解だが、ノドの奥から思いっきり「ハッ」という音がある。ノドの奥でうがいするかのような音で、もちろん日本語にはない。このような音を発する際に多くの飛沫が飛んでやしないか。
ドイツ語の「ch」で、「doch」とか「noch」とか頻繁に使われる単語中にある。日本人に分かりやすく言うと、あの音楽家バッハの「ハ」の音だ。この「Bach」は固有名詞だが、一般名詞「Bach」(独語では名詞は大文字で始まる)は小さい川を意味する。だから、バッハは「小川」さん。
我々日本人にとってドイツ語より発音の難しいフランス語。英語でも「r」と「l」の違いに一苦労と言われるが、仏語の「r」は英語の「r」と全く異なる。ノドの奥から吐き出すような音だから「merci」は「メグスィ」に、「rapid」は「ハピッド」に聞こえる。

朝日新聞「天声人語」に引用されました

2020.03.27

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・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の医療論(33)
「3月24日の「声」に掲載された河辺さんの投稿から明日「天声人語」に引用があります、名前は出ませんが」と、朝日新聞から26日夕方連絡を頂いた。「天声人語」といえば、朝日新聞のいわば「看板」、私は「光栄です」と答えたものだ。テレビで言えば視聴率のような「読まれる率」は、「天声人語」は朝日新聞の全記事中トップクラスではなかろうか。何万もの人に読まれたのかなぁ。

にっくきコヴィッドナインティーン(COVID19)-EPIDEMIC JAPAN

2020.03.26

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・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の医療論(32)
〈終息どころか収束のメドも・・・・・〉
2020年=令和2年は東京オリンピックもあるし、よい年、楽しい年になるのでは、という年初の期待は見事に打ち砕かれた。にっくき新型コロナウイルス-COVID19(coronavirus disease nineteen)-によって。
 同じ「しゅうそく」だが、現状だと「終息」ははるか遠く、「収束」のメドも立たないのではないか。ワクチン、治療薬がいつかはできるとしても、現在のインフルエンザのような検査や治療が、しかも保険適用されて町医者レベルでできるような状態になるには1年、2年かかりそうな気がする。なお、既存の治療薬で効果のあるものがいくつかあるとされており、とりあえず、それらに期待するしかないようだ。
〈そもそもは発生源の武漢当局の隠蔽〉
あぁ、武漢政府が、地元の眼科医・李先生の情報を昨年12月の段階で真摯に受け止めていてくれていたら、こんな事態にはなっていなかっただろうに、と武漢当局に対し憤懣やる方ない(今さら英雄視したって遅いわい!)。米国のトランプ大統領に「コロナウイルス」でなく「中国ウイルス(Chinese Virus)」or「武漢ウイルス」呼ばわりされて中国政府が怒っているが、仕方ないだろう。
〈日本も水際対策で失敗したし・・・・・〉
我が国政府も、水際対策で失敗したといえよう。例のクルーズ船における水際対策は、世界からかなり批判された。ただ、麻生さんの言うように、船籍の英国が全く登場していないことに強い違和感を抱かざるを得ない。
ただ、発生源である中国の人たちを速やかに入国制限しておけばこんなに日本で感染拡大はなかっただろう。4月の習近平来日の予定で、中国に「気兼ね」して強い制限をしていなかったため、北海道の雪まつりに万単位の中国人が来たことと、北海道の感染者数がその人口に比して非常に多いことと無関係には思えない。しかし、若き道知事のリーダーシップで東京より感染拡大が抑えられている印象だ。
〈誰のせいでもありゃしない、みんな〇〇が悪いのか♪〉
とはいえ、WHOのテドロス事務局長が中国に大忖度して「パンデミック(世界的流行)」表明―緊急事態宣言が遅れたし、イタリアの感染爆発だって中国の「一帯一路」政策で夥しい中国人がイタリアを往来したためであることは明白だし、上記に述べた「嘆き節」を総括すると、♪誰のせいでもありゃしない、みんな〇〇が悪いのか~♪(尾藤イサオ「悲しき願い」―アニマルズ版が有名)と歌いたくなる。
ついでに、歌いたくなるといえば、郷ひろみの「2億4千万の瞳」。
♪億千万、億千万♪→♪うつるぞ、うつるぞ♪
♪エキゾチック・ジャパン♪→♪エピデミック・ジャパン♪
              ♪パンデミック・ジャパン♪
う~ん、「パンデミック」は世界的な大流行だから「パンデミック・ジャパン」というのはやはりムリがあるか・・・

二重苦の開業医

2020.03.25

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・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の医療論(31)
私たち医療界の末端にいる町医者は、新型コロナウイルスによる二重苦に苛まれている。まず、日常の診療においてウイルス感染の患者さんに接しているかもしれないという恐怖がある。無症状でも感染力がある可能性があり、ましてや医者にかかるのは体調不良者が多いから感染者の可能性が上がる。「37.5度以上4日間」云々で保健所に電話しても、多くは近所等の医者にかかるよう指示されるらしい。「接触者外来」のある病院が手一杯という事情があるからしかたないのだろう。
次に、診療所経営上の厳しさだ。私たち個人医院は、大きな公立病院と違って風評被害に晒されやすい。現に、つい最近のことだが、近所の保育園の保育士さんの感染が公表されたら、私の診療所にかかったことがないにもかかわらず、当院にかかったというデマがあっという間に流れ、当院の患者数は激減している。隣町のM医院の先生らがクラスター感染となり休診となっているが、医師や職員が感染者でなくとも感染した患者さんが一度でも受診していると聞くと多くの患者さんはそこの医院を避けようとするのだ。
行政は私たちを助けてはくれない。軽度の体調不良ながら責任感から往診等をしていたM医院の医師を知事は「誠に遺憾」と非難した。既に、発熱者の受診を拒否している町医者もいるという。今後同様の対応をする個人医院が増える可能性がある。まさに「地域医療崩壊」だ。
行政が、発熱者等当該ウイルス感染疑い専門の外来を臨時的に設置できないのか。感染リスク、経営リスクに晒されている私たち末端の医療者を行政は助けてくれないのか。
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以上の文章を朝日新聞「声」の投稿したところ、採用の運びとなり、字数オーバーなど修正されて、3月24日に掲載された。

新型コロナウイルスで中国の体制は変わるのか

2020.02.09

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・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の医療論(30)
〈新型ウイルスの衝撃〉
大変な事態になってきた。2002~2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)、2009年の新型インフルエンザの流行のときでも、これほど、マスク不足、アルコール消毒液不足で困ったことがあっただろうか。
感染源は、中国武漢市の「海鮮市場で売られていた野生動物」らしい。特にコウモリが疑われている。世界保健機関(WHO)の専門家は、コウモリが発生源となった可能性が高いとしている。そういえば、SARSとMERS(中東呼吸器症候群)のときも、コウモリが発生源と考えられ、どちらも人間が感染する前にハクビシンなどで広まったと考えられていたらしい。
1980年代、昔エイズ(HIV)が世界中を震撼させた際に、同性愛の性行為から発生した、同性愛という「不自然な行為」が神の摂理に反したためではないかという意見があったが、今回も(家畜動物でなく)野生動物を食べるという「不自然な行為」が神の怒りを買ってこのようなウイルスを発生させて人類を懲らしめているようにも思える。
〈武漢市当局-中国政府の重罪〉
そもそもは、発生源の中国武漢で初期対応が悪かったことが感染拡大の主因と言っても過言ではないだろう。せっかく真摯な医師(つい最近当該感染で死亡)が昨年末に新型コロナウイルスの感染拡大について警鐘を鳴らしていたのに、「デマ」と決めつけて処分してしまうという当局の体質が問題なのだ。今になって、中国政府は彼への哀悼、評価を示しているが、「何を今さら」と腹立たしい。中国国民も政府への批判を高めているが、当然だろう。今回のことを契機に、現在の「物言う者は潰される」という体制にメスを入れてもらいたい。国民に圧政を強いる秦王朝を倒す源流となった、紀元前209年の陳勝・呉広の乱とまでもいかないまでも・・・。
〈「超大国」となった中国〉
13億人という、日本の10倍以上の人口とレアメタルなど豊かな地下資源を武器に、経済力・軍事力ともに米国に次ぐ「超大国」になった中華人民共和国。共産党という一党独裁で、経済は貧富の差の大きい資本主義社会である。しかし、ノーベル賞受賞者は乏しく、中国の基本的人権確立に尽力した(要するに体制批判した)劉暁波の平和賞が目立つくらいだ。周囲のウイグル、チベットなど他民族を弾圧、支配し、そして巧妙に懐柔している。もともと内陸国家だったはずが、南シナ海ばかりか、尖閣諸島にまで領有権を主張し、拡大膨張する海洋国家とも言い表せるほどだ。ほかにも、海底資源のある北極海に勢力を伸ばしているし、人口や地下資源で経済的可能性の高いアフリカ諸国も掌中に入れようとしている。
〈WHOの忖度〉
その「公害」が露呈したのが、WHO(世界保健機関)のトップであるテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長の緊急事態宣言の遅れだ。エチオピア人の彼は、中国にまさに「忖度」して、徹頭徹尾中国を露骨に擁護している。中国のご機嫌を取って自国の国益を損なわないことのほうが世界の人々の健康より重要ということなのだろう。開いた口が塞がらない。
〈隣国と付き合うことの難しさ〉
中国と日本の関係は、韓国と日本のそれもだが、難しいものだ。何しろお隣さんで歴史的にも付き合いが長い。そもそも、われわれ一般人でも隣人とはトラブル(境界、騒音など)が起きやすいものだ。むしろ、遠く離れた人とのほうが―日本とヨーロッパの国々との関係のように―有効関係が保ちやすいものだ。2012年に中国で起きたクレイジーな破壊行為満載の反日運動が思い出される。しかしながら、ここ何年か上海や北京を旅行して思うのは、(韓国人もそうだが)中国人そのものの人柄は、日本人とあまり変わらない、別にフツーなんだなぁということ。いつも痛感するのは「どこの国の人もいい人と悪い人の比率は変わらない」・・・日本人でも変な奴もいるしなぁ・・・。とはいえ、中国も韓国も、あまりにも日本を悪者にする教育は勘弁してほしいものだ。(現在、ベストセラー「反日種族主義」を読んでいるところ)
〈予防は免疫力維持向上しかないか〉
 さて、日本での感染拡大は依然とどまる気配がない。治療薬やワクチンの開発実用化は当分先の話だろう。マスク、手洗い等の自衛策は、TV等で随分喧伝してくれている。そのせいか、今年のインフルエンザの患者が例年よりかなり減少している。新型コロナウイルスもインフルエンザも予防策は同じだろう。手洗い等は、ウイルスが体内に入らないようにするためだが、仮に入ったとしても、抵抗力―免疫力が強ければ、当該ウイルスを退治できる。風邪もインフルエンザも殆ど罹ったことがないという人がいるが、こういう人はとても免疫力が強い身体を有している。高齢者や糖尿病等の持病がある人が新型コロナウイルス感染で肺炎を起こし重症化しやすいと報道されている。要は、免疫力の強さが勝負となる(一般的に糖尿病患者は免疫力が弱く感染症に罹りやすい傾向があるのは確かだ)。したがって、ありきたりな方法だが、免疫力を維持向上させるため、以下のことに留意しなければならない。
❶栄養バランスのとれた食事
糖質・脂質・蛋白質・ミネラル・ビタミンなどの栄養を偏らずバランスよく摂ること。
ちなみに、私は、納豆、ヨーグルト、亜麻仁油、オリーブ油は毎日摂取し、トマト、玉ねぎ、キャベツ、キノコ類、海藻類、生姜、ニンニク、果物など「健康によさそうな」食材を努めて摂るようにしている。
❷適度な運動の習慣
 過度な運動は身体を傷つける可能性があり、アスリートでない中高年は、ウォーキングなど適度な運動習慣が重要。
❸休養不足、睡眠不足にならないこと
 ある研究では、睡眠7時間の人が最も長寿だとか。ただ、個人差(個体差)があるので、一概には7時間がベストとは言えない。レム睡眠・ノンレム睡眠の周期が1.5時間とすれば、1.5時間×4~5と考えると、6時間~7.5時間くらいがいいのかなぁ。
❹規則的な生活習慣
 概日リズム(サーカディアンリズム)―体内時計が生命活動にあることを踏まえれば、不規則な生活が身体に悪影響することは明らか。就寝時間、起床時間、食事の時間など概ね一定にするほうが免疫力維持に資するだろう。
❺メンタリティーの安定
精神状態と身体状態は不可分であることは明白であり、強い精神的ストレスは免疫力を弱体化するだろう。現に、ガン細胞を攻撃してくれるNK(ナチュラルキラー)細胞がメンタルストレスで減弱することが証明されているらしい。
まぁ、要するに、生活習慣病の予防・治療のための方法と同一と考えていいだろう。(もちろん、「タバコはゼロ、アルコールは適量」は言うまでもない)

「超資源大国」アメリカは「超肥満大国」でもある

2019.09.01

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・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の医療論(29)
〔超弩級肥満がたくさん〕
13年前にカリフォルニアを訪れた際にはそんなに感じなかったが、今回、多くの客でごった返すフロリダディズニー内を歩き回って最も驚いたのはアメリカ人の肥満のひどさだ。欧州で見かけた肥満の比ではない。
男性のリンゴ型肥満はもちろん、女性の洋ナシ型肥満の巨大さには舌を巻いてしまった。女性でいうと、幼児期~少女期の年齢では、細くて長い脚でイメージどおりの白人(我々日本人が抱く白人コンプレックス?)像なのだが、中年となるとその面影は微塵もなくなっている。わかりやすく言えば、東京ディズニーランドのショーで見るような(フロリダディズニーも同様)すらりとした白人ダンサーの体形の成人女性はあまりお目にかかれない印象だ。白人だけではない。多くの有名アスリートのイメージからか、黒人は細くて肥満は少ない先入観があったが、とんでもなく太った黒人男女も多く、人種は全く関係ないようだ(アジア系らしい超肥満人はあまり見かけなかったかな)。
日本では身障者が乗るような小型電動車に乗る肥満健常者を幾人も見かけた。多数の電動車がパークの入口に1日70ドルで貸し出しされていた。確かにあの広いパーク内を巨体で歩き回る(1万歩~2万歩)のはキツイに違いなく、1日8000円くらい払っても・・・ということなのだろう。
(ちなみに、tattoo刺青を入れている人が多いのが印象的だ。中でも漢字が目立った。何年か前に、フランスで「魚」などわけのわからない刺青を入れている若者が幾人もいて笑ってしまったが、今回も「傑作」がいた。大きく「殺伐」と背中にある人を2人も見かけた。その意味を認識してはいないだろうなぁ。)
〔アメリカを蝕む肥満という病〕
アメリカ在住が長い日本人の方の話では、アメリカ政府は肥満対策を講じているらしいが何の成果もないように思える。世界一の医療先進国なのだが、甘いコーラを飲み、糖質たっぷりのポテトチップスを食べながら横になって運動しないfatty米国人のイメージがぬぐい切れない。こんな身体では、生活習慣病でかなり短命ではないかと思われるが、意外に平均寿命は78.5歳くらいでそれほど短くない、高い医療水準によるものか・・・。
ある情報では、アメリカの学校には、コーラだかポテトチップスだか、無料で生徒に供給する機械が置いてあるところがあるという。こういうものが肥満を助長し、アメリカ人の健康を蝕んでいるという社会的批判を懐柔するUSA大企業の戦略ではなかろうか。
〔日米で肥満の基準が異なる〕
 私たち医療者が、患者さんの太りすぎが痩せすぎかの目安にするのは、一般的にBMI (Body Mass Index)を用いる。体重(kg)を身長(m)の2乗で割る計算式だ。BMIの計算式は世界共通であるが、肥満の判定基準は国により異なる。世界保健機関(WHO)や米国国立衛生研究所(NIH)などでは、BMI:25以上を「過体重 (overweight)」、30以上を「肥満 (obese)」としている。概ね多くの主要国ではこの基準を採用しているらしい。

●世界保健機関(WHO)の基準
状態    指標
痩せすぎ 16.00未満
痩せ    16.00以上、16.99以下
痩せぎみ 17.00以上、18.49以下
普通体重 18.50以上、24.99以下
前肥満    25.00以上、29.99以下
肥満(1度)30.00以上、34.99以下
肥満(2度)35.00以上、39.99以下
肥満(3度)40.00以上

しかし、日本肥満学会では、BMI:22の場合を標準体重としており、25以上の場合を肥満、18.5未満である場合を低体重としている。
●日本肥満学会の肥満基準(2011年)
    状態    指標
    低体重(痩せ型)18.5未満
    普通体重  18.5以上、25未満
    肥満(1度)25以上、30未満
    肥満(2度)30以上、35未満
    肥満(3度)35以上、40未満
    肥満(4度)40以上

要するに、アメリカと日本とでは医学上の肥満の基準が大幅に異なる。BMI27(例えば身長170㎝、体重78kg)は、日本では文句なしで肥満に該当し、アメリカでは「前肥満」(肥満予備軍か)という範疇で肥満には該当しないことになる。ただ、私が今回目の当たりにした多くの重量級の方々は、殆どBMI30は軽く超えていたに違いない。ネットでも次のような興味深い記事が掲載されていた。

「増え続ける米国人の体重、BMI平均30の肥満目前
2018.12.21 Fri posted at 15:35 JST」
https://www.cnn.co.jp/fringe/35130502.html

〔超資源大国だから超肥満大国なのか〕
 別に「アメリカファースト」を支持する気は更更ないが、アメリカは資源大国であることは間違いない。アメリカ人に「省エネ」なんて意識も概念もないのだろう。日本語の「勿体無い」をぴったり英訳できる英単語、英熟語がないのも頷ける。室内の冷房温度はなんと15℃に設定されているから、猛暑の室外から建物内に入る際には手持ちの上着を羽織らないと風邪ひきそうで怖い。「水は貴重」と水道水の無駄遣いを注意する欧州と違って、どちらかというと「水は使い放題」の印象だ。トイレのペーパータオルも使い放題、ペーパー供給器械の下のごみ箱の大量の使用済みペーパーが目に付く。
このように「節約精神」がないから、体内に入れるものも節約しない=歯止めがきかない→体内蓄積が大量になってもどんどん体内に供給→皮下脂肪・内臓脂肪増加で肥満となる、という循環が成り立つのではなかろうか。

妊婦診察より時間かかる他医受診者

2018.12.12

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・・・・・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の医療論(28)
「胎児に安全な薬や検査方法を使うなどの丁寧な診療への評価」を目的として、今年4月から歯科以外の全ての診療科を対象に妊婦加算が新設された。しかし、評判が悪く、国は見直しを検討し始めたという。
確かに、内科診療では患者さんが妊婦だとわかると、効果的な処方薬・注射薬が使えないし、レントゲン検査もできず、適切で十分な診療ができないことが多い。しかし、その際の労力に妊婦加算をいただく程の価値があるのかなぁという気がしなくもない。というのは、私の場合だが、内服薬は漢方薬などの作用の弱いもの、外用剤もやはり弱めにしてしてご勘弁いただくことにしている。昔、通常の診療後(結構強めの薬剤を処方した)、「実は妊娠していました」と報告を受けどきっとしたことがあるが、健常児の赤ちゃんが生まれた。このとき、妊婦さんだからといってそんなにナーバスにならなくてもいいんだなと思いつつも、やはり、万が一を考えて上述のような対応をしている。
実は、内科診療でもっと神経を使い、時間がかかるのは、他の病院・診療科で多剤服用中の患者さんの場合だ。多くは慢性疾患だから、今のんでいるクスリは止めろとは言えないから、薬剤の相互作用に神経を尖らせざるを得ない。特に最近は、後発品が普及しており、聞き慣れないものが多く、いちいちクスリの本をペラペラめくって当該薬剤と今処方しようとする薬剤との間に相互作用があるかどうか調べている。国策でしかたないのだろうが、1つの先発薬剤に対し極めて多数の後発薬剤があり、正直言って覚えきれるものではない。
少子化問題に逆行するような「妊婦加算」を付ける財源があるなら、(基準設定困難や事務処理煩雑で難しいだろうが)「他医受診加算」を付けてほしいくらいだ。
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以上のような意見を朝日新聞「声」に投稿したところ、本年8月に続き採用されました。同紙の担当者によると「医療現場の意見」として認められたようですね。さすがに字数がオーバーしたので、表題も代わり、圧縮された形で12月9日(日)に掲載されました。

B型肝炎ワクチンが足りない!

2018.09.29

・・・・・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の医療論(27)
私の診療所では、ほぼ毎日、小児の予防接種を行っている。ところが、つい最近困った事態が生じた。当院で接種しているA社のB型肝炎ワクチンが供給できなくなったと。その理由は、熊本地震で製造棟が被害を受け、新製造棟が安定的に製造・供給開始できるまで半年もかかるということであった。
現在認められているB型肝炎ワクチンはこのA社のものとM社のものがあるが、M社のものはこれまで納入実績のある医療機関しか売ってくれないという。
行政側のスタンスは、A社・M社のワクチンを合わせたB型肝炎ワクチン全体としては安定的供給が可能だと。
B型肝炎ワクチンは、1歳に至るまで(標準的には生後2か月~9か月)の間、公費で接種することになっている。今の状態では、当院のようにA社のワクチンだけを納入していた医療機関では今後半年間は接種できなくなる。当該ワクチンの公費接種期間は短く、この間を逃すと高額な自費負担となり、不公平感が否めない。
以上のことから、行政に次のことを求めたい。
①M社に、納入実績のない医療機関にも当該ワクチンを売るよう行政指導する
又は
②公費期間に受けられなかった小児に、1歳後も公費で受けられるよう救済措置(日本脳炎ワクチンで行っている)を講じる

女医を増やさないのがよいのか

2018.08.30

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・・・・・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の医療論(26)
高級官僚息子裏口入学に端を発した、東京医科大学入試での女性差別問題が江湖の話題となっている。
確かに病院サイドの「女医は出産・育児で休職・離職することが多いため現場は医師不足増大に」という理屈は理解できなくははない。更に言うと、女子医学生は、夜、緊急で呼ばれる確率の高い、患者が亡くなることが多い、いわゆる「キツイ」診療科を敬遠する傾向が(男子学生より)高く、診療科偏在の軽減といった意図もあったに違いない。 
おそらくこのような「性差別」は、東京医大だけでなく、他の医学部でも多少はあるのではないかと推測する。
果たして男性医師が多く女性医師が少ない医療現場が望ましいのか。そもそも、医療とは人間と触れあい人間に寄り添うもので、基本は保育士や介護士のように他人様の「お世話」をする業種だ。保育士・介護士のように(看護師だけでなく)医師だって女性が多くいてよいのではないか。
医療において男性が女性より優れているという点は、実は乏しい。男性が勝る筋力は殆ど不要。力の要る、動けない患者さんの移動は、スタッフに助けてもらう。医師に必要な体力は筋力ではなく、長時間仕事を続けられる持続力であり、そういう能力は実は女性のほうが優れている。(そもそも神は「再生産」する能力を女性に賦与していることからして女性のほうが男性より持続力という体力は高いことがわかる。現に女性のほうが長寿ではないか)
「キツイ」科の代表の外科だが、手術だって、強い筋力は無論不要だし、手先の器用さに男女差があるとは思えない。むしろ一般的に女性のほうが指先が細く、細かい手技は女性のほうが有利ではないかとさえ思われる。
学力も女子学生のほうが男子より高いらしい。もともとの能力は同等だろうが、医師になろうとする意欲・真面目さが女子のほうが高いことの現れだろう。
結局のところ、女医が結婚・出産しても同じ仕事が続けられるような環境作りを大学医学部、病院、更には行政が怠ってきたことが今回露呈したのではないか。
どうしても「経営」を考えなくてはならない私立大学や私立病院だけで問題解決は困難である。政治・行政が、女医の比率の高い諸外国の例を参考にするなどして、院内保育所の充実整備に助成する等の対策を講じてほしい。
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以上のような意見を朝日新聞「声」に投稿したところ、久しぶりに採用された。ただ、字数制限で圧縮され、表題も変わった。他の3人の意見も頷けるものなので、合わせて掲載します。

腰痛対策―「これだけ体操」のすすめ

2018.07.22

・・・・・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の医療論(25)

毎日の診療で「腰痛」はしょっちゅう出くわす。整形外科は標榜していないのだが、内科疾患のついでにという患者さん、時には「腰痛」主訴の患者さんもいらっしゃる。後者の場合、近くに整形外科がないので、近くの当院に来たというケースだ。
万が一腰椎に腫瘍でもあったら大事なのでレントゲン検査はするが、まず重い疾患はない。だいたい、寝方の指導(仰向きはやめて横向きに寝るなど)や消炎剤湿布、鎮痛剤内服薬で治っていく。
自分自身、腰痛という経験はめったになかった。たまに起床時歯を磨いてうがいして腰を曲げるとき痛いことはあった。しかし、その朝のみで症状は消えてしまう。
ところが、今回、人生初めての「まともな腰痛」に嘖まれる羽目となった。腰を曲げると痛い症状が何日も続く。湿布では短期的な軽度改善のみ。
そんなときにちょうど定期的な人間ドックがあった。CT検査では、以前からある腰椎の曲がりがある程度でシリアスな疾患はない模様。最後に、診察してもらった医師から東大病院22世紀医療センターの「これだけ体操」のことを教わる。
自宅に帰ってさっそくネットでこの「これだけ体操」を学習して実行してみた。確かに効果がありそうだ。とにかくどこでもいつでも簡単にできるのがいい。(この体操でもそうだが、膝の裏を伸ばす運動は腰痛にいいというのも、何かのテレビ番組で紹介されていた。)
 病気を治すといえば、すぐ薬剤に頼るのが、一般人のみならず我々医療者の悪い習癖だろう。健康度を高めるには.食事・睡眠・運動(体操を含む)が重要だとつくづく思う。中学・高校では、受験科目の英語や数学の陰に隠れて存在感の薄かった保健体育や家庭科(食事・栄養のことを学ぶ)が実は重要な科目だったのだと今になって思うことよ。
〔「これだけ体操」は東大病院22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座のウェブサイトで動画も含めわかりやすく紹介されている〕

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