108歳現役理容師に学ぶ

「世界最高齢の現役理容師の女性」として初めてギネス世界記録に認定された箱石シツイさん。いやぁ~すごいな、と感じざるを得ない。私たち中高年に大きな勇気(「シツイ(失意)」の正反対)を与えてくれた。シツイさん見習ってあと何十年か現役を続けたいなどと思ってしまうのは私だけでないだろう。
というわけで、早速、昨年11月に発刊された、シツイさんの著書『108歳の現役理容師おばあちゃんごきげん暮らしの知恵袋』(宝島社)を購入し、一気に読んだ。もともと丈夫で長寿の遺伝子を有しているのは明らかだ。息子さんも、脳性麻痺の娘さんも80歳以上でお元気であることからもわかる。
脳卒中や心臓発作の原因となる動脈硬化を進行させない、そしてがん遺伝子を元気にさせない食生活に加えて重要な運動療法を実践されている。もちろんメンタルな面でのコントロールも上手だが、この「運動」が極めて重要だろうと思われる。
同著の中で、御本人の写真付きで「長生き毎日体操30」が8ページにわたり紹介されている。高齢者向きの適切な運動だ。このほか、毎朝千歩散歩しているし、百歳越えて、この運動量はまさにスーパーおばあちゃんだ。
そもそも理容師や美容師の職業は一日中立ちっぱなしの仕事だ。朝から晩まで座ってパソコン相手に仕事するデスクワークのサラリーマンよりはるかに健康によい職業だと言える。老化は足腰からというが、シツイさんの場合、毎日の立ち仕事+運動で、まさに老化知らず。更に、足腰が鍛えられることに加え、ハサミ等の器具を職人技で使いこなす手先の運動が、認知症知らずにも資しているはずである。
理容師歴94年のシツイさんは、次のようにおっしゃっている。
「しっかり食べて、歩いて、体操をして、
よく眠れるようにしておく。
当たり前のことですけれど、
一つ一つをきちんとやることが大事。
ていねいに、いい加減にならないように。」