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喉元過ぎてしまったのか

2012.04.30

・・・・・・・・河辺啓二の政治・行政論(17)

関西電力大飯原発の再稼働が本格化しそうになってきた。これを契機に、「脱原発」の流れが以前の「原発推進」の流れに戻る可能性が出てきたことは否めない。
どうも、この国の為政者は、喉元過ぎれば熱さを忘れてしまうようだ。
絶対的な安全を担保するかのように宣うが「絶対安全」なんて不可能であることは昨年いやというほど痛感したばかりではないのか。
医療も、「絶対安全」を前提に診療・検査・手術を行うが、不幸にして小さい確率ながら医療過誤が起こる。しかし、前近代的な呪術に頼るはずもなく、医療に代替するものがないから、「絶対安全」でなくても医療は必要不可欠なものとなっている。しかし、原子力発電には代替できるものが多数あることは周知のとおりである。
何万年という気が遠くなるような半減期を有するものも含め有害な放射性物質を未来永劫漏らさないで稼働できる保証がどこにあるのだろうか。
中立公正で強力な権限をもつ新たな原子力規制組織もできないまま、国民の不信を集めた経済産業省原子力安全・保安院の「試験」に受かればOKらしい。科学的な裏付けが完璧でもない状態で、科学に疎い政治家達が経済・産業に配意して政治的判断を下してしまうという愚かさを私たち国民は看過してはならない。
あのような大事故を起こしても原発を維持しようとする日本でオリンピックが開催されることなどとても困難だろうと考える。