Ⅴ 政・官・業(ヤクザ)の癒着構造は治療不可能なのだろうか

日本は、政・官・業(ヤクザ)の癒着構造が強固である。このことを天木直人氏やベンジャミンフルフォード氏ら(私も)が著書等で訴えているが、一般国民には届いていない。世論に最も影響力のある巨大メディアがこのことを扱わないからだ。つまり主要メディアもこの政・官・業(ヤクザ)―悪のトライアングルに与しているのであろう。私が直接関わっている事例を以下に述べる。

群馬県太田市の利根川河川敷に大量の産業廃棄物が不法投棄された問題で、投棄場所から国の環境基準値の120倍の発がん性物質ベンゼンが検出されたことが、群馬県の調査で分かった。周辺への汚染は確認されず、「直ちに生活環境に支障が生じる可能性は低い」という。排出業者は特定されていないというが、それはオモテ向きの話で、地元選出大物代議士を黒幕とするヤクザ集団が、警察、県、市を押さえ込んでウヤムヤにしている。司法当局までも荷担している。

私の義父はこれを何度も当局に「告発」してきた。しかし、彼ら政治家・官僚は無視し続けている。これと全く同様の事件が栃木県足利市(渡良瀬川流域)でも起きていることを、私はしかと把握しているのだ。

まさに、政治家・官僚・業界の「完全癒着」で、下流域の一千万都民の健康は無視されている。こんなことでいいのか!!

〔正義感がアダになり尊い命までも奪われた栃木県鹿沼市の例は、もっと世間で騒がれるべきものだった。産廃業者のいいなりにならず、正直に公務員としての職務をまっとうしようとした、尊敬すべき市職員の小佐々さんが殺された。その背景には組織ぐるみの癒着があったといわれるものの、マスメディアの反応はイマイチの感がしてならない。〕