「水戸黄門」大好き
<再度「水戸黄門」ファンに>
私も年を取った。
もともと嫌いではなかったが、最近、「水戸黄門」を観ることが日課になってしまった。というのは、TBSのBSテレビで、月曜~金曜に毎日夕刻に再放送があることを知って、毎日録画するようになったのだ。1時間番組とはいえ、再生中はCMスキップするので、実質45分くらいか(高速再生すればもっと短くなる)、昼食時か夕食時、あるいは日曜等に観れば毎日の生活への影響は乏しい。
<「ああ人生に涙あり」>
主題歌の「ああ人生に涙あり」の歌詞がいい。「人生楽ありゃ苦もあるさ、涙のあとには虹も出る」はもちろん、「くじけりゃ誰かが先に行く、あとから来たのに追い越され、泣くのがいやならさあ歩け」など、シンプルな教訓ではあるものの、私の人生の指針でもある。大昔の独身時代、留守番電話の受信音にこの主題歌をセットしていた時期があったほどだ(しかし、ワンコーラスが長すぎると友人達から大顰蹙を買ってやめることになった)。
<やはり国民的時代劇だ>
「究極のワンパターン」とはいえ、これほど安心して楽しめるドラマはないだろう。
おおむね以下のようなストーリーが基本的。
まず、ご老公・水戸黄門+佐々木助三郎(助さん)+渥美格之進(格さん)+うっかり八兵衛(+かげろうお銀)がにこやかに道中に→そこに多くの荒くれ男たちに追われる若い女→助さん・格さんがお助け→宿場町に入るとその助けた女に再会→そこで私欲に満ちた次席家老等藩高官と当地の悪徳商人とが結託して町人百姓を詐取し苦しめていることを知る→最後は、これら悪人どもを「懲らしめて」、定番の「この紋所が目に入らぬか」となる。
もちろん、かげろうお銀(由美かおる)、柘植の飛猿(野村将希)、風車の弥七(中谷一郎)もご老公の勧善懲悪に加担する。助さん・格さんとこの3人は絶対的な強さを誇る。帯刀相手に素手で圧倒するほどだ(現実的にはあり得ないけど)。また、お銀が芸者風の艶やか姿に扮して悪代官に接近し悪行の証拠物を手に入れるのも(入浴姿をこっそり覗き見する悪代官も)ほぼ定番。
<歌手崩れ(失礼!)が大活躍>
元(?)歌手が多い。ここに代表曲等も示す。
●三代め助さん役のあおい輝彦・・・1960年代、アイドルグループ・ジャニーズのメンバー。1976年、ソロで出した「あなただけを」がオリコンチャート1位の代表曲。
●八兵衛役の高橋元太郎・・・1960年代、男性アイドルコーラスグループ「スリーファンキーズ」の一員として活躍。私は、「スリーファンキーズ」は覚えているが、ヒット曲は思い出せない。
●お銀役の由美かおる・・・元「西野バレエ団」。1960年代から歌手・女優で活躍。ただし、歌手としてのヒット曲は思い当たりなし。
●飛猿役の野村将希・・・1970年、デビュー曲「一度だけなら」が大ヒット。その年の日本レコード大賞新人賞、日本歌謡大賞新人賞に選ばれた。
なお、個人的には、これらの方々と違い、根っからの役者である中谷一郎演ずる「風車の弥七」が好きですね。中谷さんは、残念ながら2004年に73歳でお亡くなりになっている。舞台俳優としてシェークスピア劇を熱演中、観客席から「いいぞ、弥七!」と声がかかることがあったらしい。「シェークスピア←→弥七」という組み合わせがなんともおもしろいが、それだけ、彼の代表役となっていたのだ。
<語彙・漢字の勉強になる>
江戸時代設定だから、話し言葉の中に、現代の口語にないような単語が頻出し、日本語や漢字の勉強にもなるのだ。
最近観た中でも、
篊(ひび:海苔などの養殖のために海中の干潟に立てる枝付き竹)
懸想(けそう:恋い慕うこと)
蒲柳(ほりゅう:体質の弱いこと)
といった言葉は、恥ずかしながら馴染みがなかった。
ほかにも、城代(家老)、郡代など、江戸時代の役職名も、日本史をしっかり勉強したことがない私には勉強になっている。