今「江戸時代」がおもしろい!

・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の勉強論(24)

〈BSTBSで歴史を学ぶ〉

 もともと理系だったため、歴史の勉強は(数理英ほど)せずに何十年も過ごしてきたが、年を取ると、歴史の本を読んだり、歴史を扱ったテレビ番組を見たりするのがだんだん楽しくなってきた。

まずは、これまでも紹介したように、

(2022年3月31日付け)

「関口宏のもう一度!近現代史」 | 河辺啓二 kawabekeiji.com

(2022年12月18日付け)

またまたおもしろい関口宏の「日本史講座」 | 河辺啓二 kawabekeiji.com

で日本史の近現代史や中世史の面白さを述べてきた。

 そして、今、同シリーズの江戸時代版「関口宏の一番新しい江戸時代」が完結に近づいて(つまり幕末)いるのだ。

齢(よわい)傘寿の関口宏の名司会ぶりは健在だ。近現代史から始まり、古代史→中世史→江戸時代を勉強できるこのBSTBSのシリーズは秀逸の番組だと思う。

〈NHKEテレで歴史を学ぶ〉

 それだけではない。1月からNHKEテレの「3か月でマスターする江戸時代」も上記「一番新しい江戸時代」同様、毎回録画して観ている。NHKテキストも買った。年代を追っていく上記の関口宏ものと違う切り口で解説されるところが興味深い。(NHKといえば、他にも「歴史探偵」や大河ドラマなど歴史ものがあるが、今のところそれらまで見る余裕がない。)

〈時代劇で歴史を楽しむ〉

 デジタルに塗(まみ)れたこの令和時代にあって、生まれ育った昭和時代を飛び越えて江戸時代がおもしろいなと思うのは、上記の「教養番組」だけではない。BSTBSで、月~金再放送の大好きな「水戸黄門」の影響もある。もちろん、史実どおりではないが、5代将軍徳川綱吉時代の概ね天下泰平のバックグラウンドがよいのだ。これほど「勧善懲悪」が明瞭に表現されるドラマはほかにあるだろうか。これほど「安心」して見られるドラマがほかにあるだろうか。

(2022年1月4日付け)「水戸黄門」大好き | 河辺啓二 kawabekeiji.com

(2023年9月10日付け)水戸黄門と寅さん  | 河辺啓二 kawabekeiji.com

 江戸時代のドラマ(「時代劇」と称して概ねいいだろう)はほかにも多くあり、「暴れん坊将軍」「大岡越前」「銭形平次」「鬼平犯科帳」等々、時間さえあれば全部見たいものである。最近では、1月4日にテレビ朝日ドラマプレミアム「新・暴れん坊将軍」が放映された。こちらは綱吉から三代後の8代将軍徳川吉宗を松平健が演じるものだ。同時代の超有名人・大岡忠相(大岡越前)も登場したようだ。

〈NHKの大河ドラマ〉

 時代もので代表格といえばNHKの大河ドラマ。毎年見ている中高年ファンも少なくないが、私は遠ざかってしまった。幼少期に観ていたもので記憶にあるものとして、「太閤記」(緒形拳が豊臣秀吉役)、「源義経」(緒形拳が弁慶役)くらいかなぁ。中学・高校くらいにもなると(お勉強のせいかな)、テレビを見る時間が減り、特にこういう連続ドラマはだんだん見なくなってしまった。その習慣が年を取っても続き、ここ何十年も大河ドラマは全く見ていない。

 日本史でおもしろいというかドラマになる時代と言えば戦国時代と江戸時代幕末。これら両時代のものが大河ドラマでは多く作られていた。ただ、最近は、昨年は平安時代の貴族文化(10世紀終盤~11世紀初め)、今年は江戸時代中期~後期のプレ化政文化(18世紀後半)とこれまでとやや傾向の違う作品となっているようだ(ただ、来年は戦国時代ものらしい)。

〈江戸時代がおもしろい理由〉

 さて、江戸時代の魅力とは。群雄割拠・下剋上の戦国時代の後、徳川幕府が成立し、概ね天下泰平の江戸時代が260年も続く。もちろん、初期は徳川vs豊臣の雌雄決着あり、その後は、大火事あり、大地震・富士山噴火等自然災害あり、大飢饉あり、百姓一揆あり、島原の乱、大塩平八郎の乱などもあったが、政府がひっくり返るような全国的な内乱や大変革はなかった。更に、元禄文化・化政文化(NHK「べらぼう」参照)のような世界的に見ても高度な文化が栄えたのだ。同じ国で260年も平和が続くというのは世界史的に珍しいとされる。更に、江戸時代末期・幕末~明治維新がとてつもなくおもしろい。坂本龍馬、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允などなど煌めくような英雄達が次々と登場して、西洋に追いつけ追い越せとばかりに新しい日本が形成されていくのだから(その約70年後に日本は無謀な戦争に突入してしまった)。

 水戸黄門で「先の副将軍」と紹介されるが、№2ではない。形式上は天皇が№1、将軍が№2だから、水戸光圀は№3といったところか。いずれにせよ、天皇を形式上の頂点とし、実権は幕府という関係性がおもしろい(鎌倉幕府も室町幕府もそうだったが)。鎖国政策下で花開いた町人文化の役割も見逃せない。

 前述のように、コロナ禍の前の2019年から6年も続いた「関口宏の日本史講座」がいよいよ完結に近づいていて、残念でならない。う~ん、次回は世界史講座を、なんてないかなぁ。

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