水戸黄門と寅さん 

・・・・・・・・・・・・・河辺啓二のテレビ論(10)

〈初回から始まる〉

 昨年だか、一昨年だかに、ふとBSTBSで「水戸黄門」の再放送が、またBS東京テレビで映画「男はつらいよ」があることを知って以来、ついつい見てしまっている。前者は月~金曜日の週5回、後者は毎週土曜である。もちろんリアルタイムではムリで録画して夜か週末に観る。既に昨年1月、7月に本ブログに綴ったが、またしても書きたくなった。

どちらも最終回はとっくに終わったのだが、初回にリターンして始まったのだ。1~2年前に私が見始めたときのシリーズが初回からあったものを途中から観たのかどうかはわからない。とにかく初代黄門様の東野英治郎、若き頃の渥美清である。

〈昭和の原風景〉

テレビの「水戸黄門」と映画の「男はつらいよ」がスタートしたのは、奇しくも同じ1969年(昭和44年)である。

平成生まれの若い人たちからみれば「つまらない」と思うだろう。しかし、昭和に生まれ育った私は「好きな」TVドラマ、映画なのである。

特に、画面に映し出される日本各地の懐かしい風景が、シリーズの魅力の一つでもある。田舎道、田畑、森(私が生まれ育った四国の田舎を彷彿させてくれる)を背景に黄門様御一行が歩く。これは江戸時代の設定だが、撮影は昭和。寅さんが歩く街並み、田舎街、波止場も昭和時代そのものだ。要するにどちらも「昭和の原風景」と言えるのではないか。なぜか私は「ほっと」するのである。

〈付足し:私とは正反対の寅さん〉

ついつい観てしまう「寅さん」だが、私と性格が真逆だなぁと思うことが多い。

●喧嘩っ早い(怒りっぽい?)ーいつもながらタコ社長らと取っ組み合いの喧嘩は毎回見られる。

●美女にすぐ惚れるー毎度ながらのマドンナ登場。

●究極のお節介焼きー特に惚れた女性などに余計なほどにお節介をする。(お節介焼きといえば、黄門様もそうでしたな)

●滑舌よい饒舌さー「結構毛だらけ猫灰だらけ」などの口上に見られる滑舌の良さは羨ましいものだ。私は滑舌が悪い上に四国なまりがぬけないのだ。