「がん」と免疫
 

腫瘍とは、生体を構成している細胞から異質な細胞が発生し、どんどん過剰に増殖したものをいいます。その腫瘍のうち、発生地だけでとどまっていて、全身への影響が少ないものを「良性腫瘍」といい、浸潤性に発育し、体の中のあちこちにまで飛んで行って着地先でも勢力拡大していくものが「悪性腫瘍」(つまり「がん」)ということになります。

 私達の体には生来、異物を除去しようとする働き(「免疫」)があり、細菌やウイルスが侵入してきたときこれを排除するのと同様に、腫瘍細胞が芽生えたときこれを殺そうとする機能があります。しかし、この機能が生まれつき弱い人は若くしてがんにかかり、そうでなくても、この悪性腫瘍細胞攻撃機能は、環境因子により弱まったり、更には誰もが避けられない老化により弱体化したりするのです。昔「老衰」ということで亡くなられた高齢者の多くには、がんがあったと推定されます。

したがって、このがんをやっつけてくれる働きを長く元気にしておくためには、とても月並みなことですが、適切な食事、運動、休養を継続するほか、たばこ、アルコール、有害な化学物質、紫外線、ストレス(特に精神面)などに注意することです。